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書 簡
冷え十二月の風の吹き飛ぶ日 荒川の河原の露
と消し命。母とともに殉国の血に燃ゆる父の
意志に添って、一足先に父に殉じた哀れにも悲
しい、然も笑っている如く喜んで、母とともに
消え去った命がいとほしい。父も近くお前たち
の後を追って行けることだろう。嫌がらずに今度
は父の暖かい懐で、だっこしてねんねしようね。
それまで泣かずに待っていてください。
千恵子ちゃんが泣いたら、よくお守りしなさい。
ではしばらく左様なら。父ちゃんは戦地で立派
な手柄を立ててお土産にして参ります。
では、一子ちゃんも、千恵子ちゃんも、それま
で待ってて頂戴。
陸軍特攻第四十五振武隊:二式複戦一〇機:知覧発
藤井 一 命 陸軍中尉(戦死後・少佐)享年二九歳
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